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​Essay

旅行記

ああ。古びた家、木綿の窓掛、果 樹の茂り、芝生の花、籠の鸚鵡、愛らしい小犬、そしてランプの光、尽きざる物思い・・・


そして悲しいロオダンッバクのように唯だ余念もなく、書斎の家具と寺院の鐘と、尼と水鳥と、廃市を流るる掘割の水とばかりを歌い得るようになりたい。

 

永井荷風「海洋の旅」より

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